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わが国の【牛乳に関しての法律】

 現在、日本で流通する牛乳類の定義(種類)、成分規格、表示・製造・保存方法などについては、1951年(昭和26年)に制定された厚生省令【乳及び乳製品の成分規格等に関する省令】(略して乳等省令)により定められています。

 さらに、表示の細則については、乳業界の自主規約である【飲用乳の表示に関する公正競争規約】1968年(昭和43年)により定められています。

 日本で牛乳が一般的に飲まれるようになったのは、明治初め頃からです。初めは無殺菌だった牛乳も、しだいに法が整い衛生的なものになっていきました。

【乳等省令】制定に至るまでの主なながれ
1873年(明治6年)東京府知事『牛乳搾取人心得規則』公布。
1878年(明治11年)東京警視本署『牛乳営業取締規則』制定。
1885年(明治18年)東京警視本署『牛乳営業取締規則』改正。(ブリキ缶の使用禁止)
1900年(明治33年)内務省『牛乳営業取締規則』公布。(搾乳所の構造を改正)
1928年(昭和3年)警視庁『牛乳営業取締規則』改正。(着色びんの禁止・殺菌の義務化)
1933年(昭和8年)内務省『牛乳営業取締規則』改正。(低温殺菌:63〜65℃、30分間加熱または高温殺菌:95℃以上20分間加熱の制定)
1947年(昭和22年)厚生省『食品衛生法』公布。
日本乳業協議会:牛乳・乳製品消費者相談室編Q&A集より抜粋

【乳及び乳製品の成分規格等に関する省令】の歴史。
1951年(昭和26年)『食品衛生法』にもとづく『乳等省令』が公布され、時代の流れとともに改正されてきました。
・低温殺菌(62〜65℃30分間加熱)または高温保持殺菌(75℃以上15分間加熱)によること、ただし、圧を加え短時間で加熱殺菌するときは処理場所在地の知事の承認を受けること。
1958年(昭和33年)・低温殺菌または高温保持殺菌によること、ただし、短時間で加熱するときは厚生大臣の承認を受けること。
1968年(昭和43年)・ 62〜65℃30分間加熱またはこれと同等以上の殺菌効果を有する方法で加熱殺菌すること(短時間で加熱殺菌する方法について、厚生大臣の承認制度の廃止、これにともない、現在の加熱殺菌方法の規定が整備された)。
・『販売曜日表示』に代えて『製造年月日表示』にすること。
1979年(昭和54年)・抗生物質および抗菌性物質の含有の禁止。
・部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳の定義と成分規格を改め、いわゆるローファットミルクを『乳』に加えたこと。
1985年(昭和60年)・LL牛乳類の常温保存認可。
1995年(平成7年)・『製造年月日表示』に代えて、『期限表示』を行なうこと。
・乳の成分規約に、オキシテトラサイクリンの残留基準設定。
1996年(平成8年)・牛乳、加工乳、部分脱脂乳、乳飲料などの製造に、HACCPシステムにもとづく衛生管理方法を導入。
日本乳業協議会:牛乳・乳製品消費者相談室編Q&A集より抜粋

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